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西日本ツーリング3日目 高知県室戸市から高知県宿毛市

室戸スカイラインから出発

風で吹き飛ばされるかと思った無人のキャンプ場であるが、一夜明ければほぼ落ち着いていた。テントを乾かし出発だ。

室戸岬に尾根筋を通る室戸スカイラインというワインディングロードがあるので、そちらから室戸の街まで降りる。先日の台風で飛ばされた枝や落ち葉でコンディションはよくないが、景色は絶景である。せめて晴れていればと思う。

室戸の中心街室津にてコインランドリーへ。連日雨なので乾燥機の順番待ちとなった。その間にコンビニパンで朝飯とする。天気予報によると秋雨前線が四国を覆い、本日は丸1日雨のようだ。

 

 

吉良川、奈半利の街並み

室戸のすぐ西の集落、吉良川に古い町並みが保存区となっている旧街道筋がある。行きにチェックしておいたのだが、おしゃれなカフェがあるもののあまり観光化されていない。まだ朝早いのでほぼ無人の街に立ち寄ってみた。壁の途中に瓦が埋め込んである「水切り瓦」は壁のしっくいが痛まないよう、雨の多いこの地方特有の生活の知恵だ。


吉良川の西、数キロ離れた奈半利の街にも古い街道筋の寂れた商店街と江戸、明治の豪農の建物が観光化されずに残っている。ほぼ現役の民家として使われているので、写真を撮っていたら、爺さんに「寄っていきなさい」と招待を受けた。

  

野良時計と岩崎弥太郎生家

国道55沿いに三菱の創業者、岩崎弥太郎の生家の看板が何件か出ていたので、気になってしまい結局道草することにした。

途中に野良時計なる昔の百姓用の時計台があるので先にこちらを見ておく。明治のころに作られた時計台は今も現役。札幌時計台と違い、周囲はなにも視界を遮るものがない農地なので、小さいながらもこちらのほうが見ごたえがある。

野良時計から数キロ離れた先に岩崎弥太郎生家がある。ルックスがクワマンみたいな岩崎先生の銅像がある駐車場にバイクを止め見学。三菱グループの資金も入り保存状態は良好だ。

 


ゼッタイ外せない高知の名所

安芸からは道草せずそのまま走り続ける、途中赤岡で「中日そば」なる寄食の看板を見かけ興味をひかれたが、昼飯時にはまだ早く通過。行きにチェックしておいた特攻船震洋隊の慰霊碑は看板を見失ってしまい行けず。

そして、県庁所在地の高知市へ。さすがに大都市、路面電車を撮影し、日本三大ガッカリ名所の「はりまや橋」に立ち寄る。本当にショボかった(笑)。みなさんもぜひ高知にお立ち寄りの際は訪れ脱力してほしい。

 

洲崎名物鍋焼きラーメンで昼休憩

高知で昼食をと思ったが、駐輪場を探す手間と、どこにもあるチェーン店だらけなので興覚めし、さらに西へ進む。高知県を東西に貫く国道56は、並走する高知自動車道の影響で以前より交通量が減少気味なのか、ロードサイドの寂れが進んでいるようだ。途中その名も「ストップ」という昔ながらの気になるドライブインがあったのだが、走行ペースが速すぎ、停止する気にもならずやり過ごした。機会があれば再訪したい造りの店だ。

高知市の隣、須崎に到達し、定食屋を探すため旧市街地へ入り、JR駅前の食堂にて昼食とする。昭和の大昔。森繁久彌の人気映画『喜劇駅前』シリーズがあったように、寂れた街の駅前食堂はかつて繁栄した駅前通りの様子をうかがわせ、今回のツーリングではたびたび利用した。

下調べして訪問したわけではないが、こちらはその名も「駅前食堂」、レトログッズのインテリアで筆者好みの食堂であった。「鍋焼きラーメン」なるものとシラス丼のセットを注文、なんでも須崎では「鍋焼きラーメン」が名物ということで、いろいろな店舗で提供されているようだ。

また、ツイッターで人気のカワウソゆるキャラ「ちぃたん☆」と同じ絵柄の「しんじょう君」がご当地キャラということでいたるところにその姿があった。

 

 

とにかく雨!四万十をやり過ごし宿毛へ

雨は降ったりやんだりしていたのだが、西に進むにつれ雨がひどくなってきた。こうなると今晩のねぐらはキャンプをあきらめゲストハウスということになる。本日中にどこまで行けるか計算したところ、宿毛の16時発のフェリーにギリギリ間に合うかどうかというところ。深夜発の便は欠航中なので、これを逃すと本日は四国で足止めとなる。

というわけで、ひたすら宿毛方面を目指す。天気がよければ四万十川周辺でキャンプでもよかったのだが今回はムリなのでまた来年あたりにでも来よう。

四万十からは56バイパスの自動車道でワープ、しかしながらフェリーの出航時間にはあと一息のところで間に合わず、宿毛フェリーふ頭で明日の始発フェリーの時刻を確認しながら宿を探す。あいにく宿毛には格安ゲストハウスがなく、フェリーふ頭に来る途中にあったビジネスホテルに宿泊することに決定。

荷物がずぶ濡れ、安物買いの銭失い

今回、キャンプ道具をスカイウェイブのシート下トランクに、雨具など走行中に必要なものをリアボックス、着替え類、ノートパソコンなどねぐらですぐ使いそうなものをイケアのバックパックに分散して収納したのだが、一見chromeの防水バックパックに構造が似ているイケアのバックパックがまったく防水できず、中身までずぶ濡れとなってしまった。イケアの製品は恰好だけなので要注意だ。

部屋で中身を乾かした

夕食は宿毛のレトロバーガー

さて、旅の楽しみ食事である。せっかくなので刺身とか寿司といいたいところであるが、長旅なのであまり贅沢はしないつもり。ローカルの定食屋を探してみるが意外と少ない街だ。誰かの珍スポブログに「キリンハウス」という昔のままのハンバーガー屋があることを知り、ホテルフロントにだいたいの場所をきいて大雨の中出かけた。

ホテルから1㎞ほど離れた、すでにシャッター街と化した商店街の一角に「キリンハウス」を発見。さっそく誰もいない店内に入る。

チーズバーガー、フィレオフィッシュ、ポテト、コーラを注文。近年あるようなスペシャリティーバーガーではなく、70年代にあったようなオールドスクールなハンバーガーだ。フィレオフィッシュはフィッシュアンドチップスのように酢がかかっていた。



午前7時になるかならないかというのに、数百メートルもない宿毛のメインストリートは真っ暗、寂れた映画館すらない浜田省吾の「MONEY」の世界以下だ。

ホテルに帰り、入浴してすぐ爆睡。雨の中の走行は相当ストレスとなり持病の耳鳴りもひどくなってしまった。ホテル自体は浴室も広く、ビジネスホテルとしては上出来な方であったので安眠できた。